近鉄小倉駅から徒歩すぐの場所で昼からオープンしているカジュアルな立ち飲み店。
実は今回の取材で初めて小倉駅で降りてみたのですが、意外にも(失礼!)、周辺に飲食店が多くて驚きました。
「実はこの辺りは全国でも飲み屋の密集度がトップクラスなんですって」と店主の杉山さん。ショートカットと笑顔が似合う明るい女性です。老若男女のお客さんに慕われているんだろうな、とすぐわかる。
「うちは2012年オープンと界隈では比較的新しい方なので、埋もれてしまわないように何か個性を出したいと思ったんです。それで、私自身すっごくビールが好きなこともあって(笑)、ほかには置いていないようなクラフトビールを出すことに決めました」
タップは全部で4つ。なんと、そのうち2つがフルーツビールというユニークなセレクト!(残る2つはそのときどきのゲストビール)。
「フルーツビールはアルコール度数が高くなくて飲みやすいから、ビールが苦手な人やクラフトビールを知らないお客さんでもとっつきやすいと思って。それに、『あそこの店、おもろいビールあるねん』ってお連れさんを案内してくれることも多いんですよ」とにっこり。杉山さんの“戦略”は見事に成功しているようだ。
あまおう、日向夏、青レモン、チェリー、マンゴー、マスカット、ラ・フランス、りんご、山ブドウなどなど、さながらフルーツショップのように、季節ごとの味が次々と登場。
年に1回しか造られないものもあったりするため「そろそろ洋梨出てる?」と楽しみにするお客さんも多いのだとか。
取材時にオンタップしていたのは、『福島路ビール』の「黄金桃のリッチエール」と、『鳴子温泉ビール』の「ブラッドオレンジエール」。
黄金桃の方をいただいてみました。うす甘い味わいの奥にビールのほろ苦さがほんのり感じられて、めちゃ飲みやすい! でもどこかで知ってる味だ……と考えていると「桃缶のシロップみたいでしょ」と杉山さん。あー、それだ! またはネクター!
大人の酔っ払えるネクター、おすすめです。
そして、ゲストビールからは『國乃長』の「貴醸ゴールド」を。清酒酵母を使った上品な甘味のあるビールです。まったりとしているのに喉越しは軽やかで食中酒によさそう。
嬉しいことに、クラフトビールはスモール(230ml)600円、レギュラー(350ml)900円均一と手頃な価格設定になっています。地域密着型の店なので安めにしておかわりしてほしいからという理由から。実際、マスカットビールを一人で7杯おかわりしたお客さんもいらっしゃるとか。すごい(笑)。
アテもこれまた嬉しい立ち飲み価格。
「ちょっとおつまみ」3品盛り200~300円は全4種、冷蔵庫には小鉢のつまみが並び好きなものが選べるほか、しっかり食べたいときはとりなべ600円などの料理もスタンバイ。
生のマグロをたっぷりと使った名物のマグロ丼も要チェックです。
駅近、昼オープン、立ち飲み、安心価格とふらり寄りたくなる要素が揃う上に、ビール愛あふれる元気な杉山さんのトークもついてくるとくれば、週に何度でも通いたくなるのは当然ですよね。ご近所さんがうらやましい! いや、京都市内から遠征してでも行く価値がありますよ~。