ランチタイムからカフェタイム、もちろんディナーまで、終日クラフトビールが味わえる貴重な一軒。木屋町通も御池から上は昼夜とも落ち着いた雰囲気で、オトナが自由な時間を過ごすのに最適です。開放感のある店内から外の景色を眺めつつ、まったりと昼下がりのビールを楽しむなんていかがですか?
以前は『メリーアイランド』という名で広く親しまれていた店が、2年前のリニューアルを機にクラフトビールも多数扱うようになりました。「以前は海外のクラフトビールも扱っていたのですが、今は国産しばりで9種類のタップを備えています」とスタッフの大切秀紀さん。全国約20のブルワリーから直接樽を仕入れているのだそう。それって下世話な話ですけど、送料とか大変やったりしないんでしょうか。「あはは、そうですね。でも、なにより造り手から直に『今度のはこんなビールで』なんて話が聞けるのがいいんです。お客さんにもいろいろ伝えられますしね」。
「僕自身、最初は『クラフトビールって何やねん?』という感じやったんです。でも、飲み続けるほど、知るほどに、いろーんな味があるんやなぁとハマってしまいまして」。ブルワリーごと、銘柄ごとに十人十色どころじゃない個性があって、それは「うまい、まずい」ではなく、個人の嗜好に合う合わないかだと大切さんはいう。この味の幅広さこそが魅力で、だからこそ「ビールが嫌いやという人に勧めたい」とニンマリ。「一般的なビールが苦手な人って、炭酸がキツイとか苦みがイヤ、ってことが多いでしょう。でも、クラフトビールならそうじゃない味もたくさんある。それをちゃんと勧めてあげて、好みの味に巡りあってほしいと思うんです」。
それって、とても素敵な発想ですね。たしかに、ビールはこんな味やと決めてかからずにチャレンジすれば、未知の美味に出合える可能性大!
この日いただいた4種類のクラフトビールも実に個性豊かでした。
「ゴールデンドラゴン」(伊勢角屋麦酒)はしっかりした苦みにキレッキレの爽快感、「スルガベイインペリアルIPA」(ベアードビール)は香りとほどよい苦みが一口で花火のように花開く感じ。ほのかな青バナナの香り心地よく飲み飽きない「ヴァイツェン」(富士桜高原麦酒)、ぶっそうな名前ながら、ビターさと甘味のバランスが絶妙でグッとハマった「デストロイ・エンジェル」(一乗寺ブリュワリー)。
しかし、短時間で飲むと満腹感がすごいっす、クラフトビール。それだけ濃厚ってことなんでしょうね。
さて、こちらは「ガストロパブ」を名乗るだけに凝った料理も充実。名物のひとつフライドポテト(L900円)は、一度ベイクドポテトにして粗熱を冷ましてから揚げるという、ひと手間、ふた手間をかけてあります。それだけに味わいも格別! 芋の甘味が凝縮され、塩味がそれを引き立てるのが絶妙です。ほくほくむっちりとした食感もすごい。いろんなメニューがあるので迷うでしょうが、まずはこれ必食です!